聖悠学館

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映画『かがみの孤城』感想

年の瀬に名作が来ました。
ネタバレを受けないほうがぜっっっったい楽しめるので少しでも気になるのであれば、ぜひとも劇場へ!面白かったです。

以下、ネタバレあり感想です


本作は辻村深月さんのベストセラー小説「かがみの孤城」が原作の劇場アニメになります。監督は「映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」、「河童のクゥと夏休み」の原恵一監督になります。内容は学校に通えなくなった7人の中学生の鏡の中の世界での心の交流を描いた作品になります。
主人公のこころは月並みな言葉を使うと理不尽ないじめで学校に通えなくなるのですが、彼女の当初の願いは理不尽な同級生が消えることを願うというものでした。内気ではあるものの自分が逃げる方向ではなく相手の消滅を願う攻撃性?は割りと好きでした。
意外な部分としては友達の萌が久しぶりに登校したこころに挨拶もせず無視していじめのターゲットにされたくないししょうがないよね……と思っていたら実はすでに萌がいじめのターゲットになっていて、こころが再びいじめのターゲットにならないように配慮していて、いじめの主犯格をアイツは低能のゴミ扱いしていて萌ってそんな性格だったのwってまあまあびっくりしました。

この作品の好きな部分でもあるのですがこころが学校でのいじめを親に告白したとき、「一緒に闘おうね」というところは好きです。いじめという問題で学校に通えなくなった時、暗黙の了解でゴール地点が学校に通えるようになることになりがちですが、こころの母・フリースクールの喜多嶋先生はこころの意見を尊重してくれて今の学校に通うことも、別の学校に通うことも、そして学校に通わないことすら許容してくれるのは、中学生のこころにとってとてもありがたいことだと思います。特にこころの母がこころに「たかが学校」というシーンは良いですね。私も「たかが仕事」の精神でいつでも退職届を叩きつける精神で生きていきたいです。
目を背けたくなるしんどい事柄や、どうすればいいのかもわからないこともある世の中ですが「たいていのことは何とかなるよ、大丈夫」と思わせてくれる良い作品でした。原作はかなり分厚いみたいで削った部分も多そうなのでぜひとも読んでみたいですね。