さよならの朝に約束の花をかざろうを観てきたので感想です。
ハンカチ必須です。久々に涙をボロボロ流しました。。。
以下ネタバレ
本作は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない」や
「心が叫びたがっているんだ」の脚本で有名な岡田麿里さんの初監督作品です。
岡田麿里さんは人間関係の衝突や葛藤(いわゆるドロドロ物)に定評のある脚本家です。
今作は長命の種族イオルフ族の少女マキアとマキアが助けた子供エリアルを中心とした出会いと別れの物語です。
(映画観ていて登場キャラクターの名前がなんか覚えられなかったので主要キャラを軽く整理)
マキア
レイリア
クリム
イオルフ族は数百年の長い命を持つ一族で、別れの一族とも呼ばれています。
「外の世界で誰も愛してはいけない。愛すれば本当の一人になってしまう」
イオルフ族は人里離れた地で静かに暮らしていました。
ある日イオルフ族を国のために利用する目的でメザーテ兵が古の獣レナトと共に襲撃しレイリアが捕らえられ、マキアはその襲撃のなかで赤ん坊のエリアルと出会うところから物語は始まります。
映画鑑賞後、「今作では「母親」というのがひとつのテーマかな」と
思っていたのですが、監督のインタビューを読む限り「関係の変化」が描きたかった
ために家族という形を取ったのかなと思いました。
(「母親」というのは岡田監督が母子家庭だったということもあるかもしれません。)
そのため家族や母親のメッセージ性は特に感じませんでした。
エリアルが赤ちゃんの時から少し大きくなって母のマキアを守ると言ったり
思春期を迎えマキアに対して特別な気持ちを持ってしまい
マキアを傷つけないために親元を離れたり
幼馴染のディタと家庭を持ち子を育み、そして最後の別れまで描く。
エリアルの関係性の変化をすべて体験することで子を持つ親の気持ちと
自分自身が親から受けた愛情など色々なものがこみ上げてきて
マキアとエリアルの回想シーンでは涙がボロボロと溢れて止められませんでした。
「愛して、よかった。」
まさにこのキャッチコピーの通りだと思います。
一方レイリアは王子の子を産みますが面会する事は許されません。
そのため娘に会うことを一つの希望として生きていましたが
最後の最後で娘と対面しますが血が繋がっていても積み重ねた時間がまったくないため
レイリアの中で何も感情がわかなかったのでしょう。
突然アイキャンフライをしますが、レナトに乗ったマキアに助けられ事なきを得ます。
これから娘と二人で暮らしていけばいいのに、と思っていたのですが
監督からすると血の繋がりがあることは重要ではなかったのでしょうか。
クリムは今作の病んでる枠です。(謎)
彼はレイリアがさらわれた時から何も変わらないまま時間を積み重ねてきたため
レイリアに拒絶される事など微塵も思ってなかったのでしょう。
それぞれが歩んできた人生が違いすぎた結果ですね。
ちょっとしたストーカーでした。
岡田監督の作品はキャラクターの感情をむき出しにしたセリフがあるため
キャラクターに感情移入が出来ないと感情むき出しのセリフに少し冷めた目で見てしまう面もあるかもしれません。
ただ今作ではあまり感じませんでした。
たとえ最後は必ず別れが訪れるとわかっていても関係性を積み重ねることの素晴らしさを体験できた良い映画だったと思います。